乃花(のか)は思わず眉と口のはしを下げてしまうが、永亜(とあ)はうなずいて、迷いなくひとつ左の商品だなの間に入っていく。

 腰が引けている乃花(のか)那成(ななる)たちより数歩分遅れながらも、足音を立てないように歩いていった。

 しかし、その通路の先を見てみると、那成(ななる)がピカピカうさぎにわざわざ近づく道を選んだ理由が分かる。


 商品だなから出したと思われるお米の袋が、通路の先に積み上げられていて、小さな壁のようになっていたのだ。

 乃花(のか)たちはお米の壁に隠れるようにしゃがみこんで、子どもが1人通れるくらいのすきまから、ピカピカうさぎの動向をうかがった。