永亜(とあ)先導(せんどう)し、來璃(らる)那成(ななる)が真ん中、乃花(のか)が最後についていく形で、4人は懐中電灯に照らされた店内を歩いていった。

 床に転がる人形をよけながら、1つ目の商品だなの間を通り抜けようとしたとき、ピカピカうさぎが4人の前を左に横切っていく。




「「!!」」




 乃花(のか)はとっさに両手で口を押さえて、悲鳴がもれないようにした。

 バクッバクッと大きな音を立てる心臓に緊張(きんちょう)して、冷や汗が背中を伝う。

 ピタリと固まった4人の前を、ピカピカうさぎは素通りして、入り口があるほうへ向かっていった。


 永亜(とあ)は静かに息を吐きながら、那成(ななる)たちのほうを振り返って、目の前の通路を指さす。

 首をかしげた永亜(とあ)の様子から、“このまま進むか?”と質問する意図を感じ取った那成(ななる)は、視線を落としてから、ひとつ左の通路を指さした。

(えっ…ピカピカうさぎが行ったほうに近づくの…!?)