永亜がバックヤードへ駆けこんできたのは、乃花たちがペットボトルのジュースを半分ほど飲んだころだった。
ドンッと扉へ体当たりするようにバックヤードへ入り、すぐに背中で銀色の扉を閉めた永亜は、「はぁっ、はぁっ」と呼吸を荒げる。
「せ、瀬戸川くん!?大丈夫!?」
「永亜くん!」
乃花たちはあわてて立ち上がって、永亜のもとに駆け寄った。
(ど、どうしたんだろうっ、ピカピカうさぎに追いかけられたのかな…っ!?)
永亜は答える代わりに片手を上げて、先に息を整える。
「はぁ…大丈夫だ。帰り道を見つけた」
「えっ!?」
「帰り道…もしかして、入り口が?」
「そうだ。入り口の外が、現実のスーパーにつながってた。あそこから出れば、元の世界に帰れる」