目を見開いて、永亜(とあ)が横を見ると、そこにはピカピカうさぎが不気味な顔をして立っていた。

(くそっ、うしろの明かりにまぎれてて気づかなかった…!)




『かえっちゃ だめ いっしょに あそぼう』




 ピカピカうさぎは高い声をひびかせると、永亜(とあ)の体を持ち上げようとする。

 永亜(とあ)はギリッと奥歯をかんで、電飾(でんしょく)を巻きつけたピカピカうさぎのお腹を蹴った。

(ここで人形にされるわけにはいかない!)


 ピカピカうさぎの手から逃れた永亜(とあ)は、バックヤードのほうへ、全速力で走り出した。