そこには、まぶしく感じるほど明るい店内の様子が映っていた。
買い物カゴを持った大人が行き交い、商品をながめては手を伸ばす、いつも通りの、スーパーの風景だ。
その中には、中学生くらいの男子数人が、なにかを探すように、キョロキョロとあたりを見回している様子もある。
(兄ちゃん…!)
彼らのうち1人は、永亜の兄であった。
永亜が中学生の不良とよく一緒にいる、といううわさは事実であるが、永亜にとってはただ兄と、その友だちと一緒にいるだけにすぎない。
永亜は手前の自動ドアを自力で開けたように、元いたスーパーの風景が映るガラス扉を、体全体を使って開けた。
「兄ちゃん!」