「お兄ちゃんも、お姉ちゃんも、くっついてすわろ」
「え…」
「そうだね。もっとこっちに来ていいよ、來璃。…乃花ちゃんも、こっちにおいで?」
那成のすぐとなりの床をポンポンとたたかれて、乃花は、視線をあちらこちらに向ける。
(な、那成さんとくっついて座るのっ…?それはちょっと、はずかしいかも…っ)
そう思えるくらいには、少し落ち着いたものの、やはり不安な気持ちのほうが大きかったようだ。
乃花は「…はい」と答えて、おずおずと那成へ近づき、二の腕に那成の体温を感じながら、ひざを抱えた。
「怖かったら手、つないでいいからね」
「だ、大丈夫です…っ」