乃花はその言葉で、母から聞いた話を思い出す。
(そういえば、お母さんが言ってた…1週間前に、小学生が何人かいなくなったって)
來璃と那成の話をすり合わせると、那成は1週間前から“ここ”にいたことになる。
(でも、待って。スーパーが停電したのはさっきなのに…)
那成は一体どこにいたのだろうか?
その疑問に答えるのは、他でもない、那成だった。
「そっか…やっぱり、そういうことなんだ。ここは、スーパーであって、スーパーじゃない…どこか、別の世界なんだよ」
「べ、別の、世界…っ?」
「急にあたりが真っ暗になって、いつの間にか大人がいなくなってた。このスーパーにいるのはあの着ぐるみと、僕たちだけ」