「あ、ごめんね…僕は、(とび)那成(ななる)。6年生。この子は僕の妹なんだ」


「あ、私は土谷(つちや)乃花(のか)、5年生です」


「俺は瀬戸川(せとがわ)永亜(とあ)。土谷と同じ、5年」


乃花(のか)ちゃんに、永亜(とあ)くんだね。よろしく」




 那成(ななる)はほほえんで、來璃(らる)の頭をなでる。

 乃花(のか)はホッと、胸をなでおろしていた。

(6年生…年上の人がいたんだ。よかった…)


 肩にどっしりと乗っかっていた重りがなくなったようで、気がゆるんだ乃花(のか)は、視界のはしに映る永亜(とあ)に気づいて、顔を向ける。




「あ、あの、瀬戸川くん。さっきは、助けてくれてありがとう…」


「…いや」