來璃の声を聞いて、乃花が來璃の指さす先を見ると、そこには電飾を巻きつけて、ピカピカと光るうさぎの着ぐるみがいた。
冷蔵コーナーから離れていて、あたりは真っ暗闇なのに、うさぎの着ぐるみの周りだけ明るくなっている。
しかし、下からの明かりで、出っ張った鼻の上、目の間などが影になっているせいか、明るいスーパーで見たときよりも不気味さが増していた。
(ひっ…怖い!)
乃花は思わず一歩下がってしまったが、永亜や來璃は動じていないようだ。
それどころが、蕗咲は「うさぎさん!」と表情を明るくした。
「ねぇ、乃花お姉さん、あのうさぎさんにみんながどこにいるか聞いてみようよ!」
「えっ…あ、あのうさぎに…?」
「…ピカピカうさぎさん」
「店の着ぐるみか…?停電になったから、助けにきたのかもな」