全員で自己紹介をしたあと、乃花は胸の前で右手をにぎりこむ。
(私たちが、一番年上なんだ…じゃあ、私たちがしっかりしないと)
ゴクリとつばを飲んでから、乃花は蕗咲や來璃を見回してほほえんだ。
「えっと、蕗咲ちゃんと來璃ちゃんもお母さんとはぐれちゃったの?」
「うん、そうなの」
「…うん」
「そっか。私もそうなんだ。それじゃあ、みんなで一緒に、誰か大人の人がいないか探そっか」
「うん!」
ニコッと笑って返事をした蕗咲を見て、乃花も笑顔を返す。
それからあたりを見て、冷蔵コーナーの商品だなからは明かりがもれていることを確認した。
(このあかりが届く場所から、お母さんを探せば…)
「…あ」
「なんだ?」
「…あそこ」