「お前たち2人だけか?他に人は?」


「ううん、誰もいないよ。この子と蕗咲(ろさ)の2人だけ」


「…」




 女の子の話を聞いて眉を下げた乃花(のか)は、ちらちらと永亜(とあ)の横顔を見る。

(まさか、男の子が瀬戸川(せとがわ)くんだったなんて…どうしよう、あとで文句を言われたりしないかな?)




「そっちは?誰も見なかったの?」


「あぁ。俺と土谷(つちや)の2人だけだ」




 名前を呼ばれた乃花(のか)は、ピクッと肩をゆらした。




「土谷?」


「あ、私だよ。土谷(つちや)乃花(のか)


「そうなんだ!蕗咲(ろさ)は、福浜(ふくはま)蕗咲(ろさ)。4年生だよ」


「…(とび)來璃(らる)。2年生」


「俺は瀬戸川(せとがわ)永亜(とあ)。5年だ」


「あ、私も5年生だよ。よろしくね」