僕が目を覚ましたのは三日後…だった。
怪我は手当されており、衣服や身体の汚れも綺麗に拭き取られ、ベッドで寝ていた。
だが、僕は自分の両手足がベッドに拘束されていると気づく。
ふと、ヤツとの事がフラシュバックして震え出す。
が…
「目が覚めたようだな…」
女性の声がして、そちらに顔を向ける。
褐色の肌の細身だから筋肉質の身体をした女性が警戒心丸出しで僕を睨みつけていた。
「お前は何者だ? 何をしに来たっ。」
彼女の有無を言わさず尋ねてきたが、僕は喋れない事をどう伝えるかを考えながら、左手を動かす。
ガチャガチャと拘束具がなる。
すると、
「あら、ルカ…あの子は目を覚ましたかしら?」
と、別の女性が現れた。
綺麗なドレス姿の美しい金髪の女性…が尋ねてきた。
「姫様…はい、今目を覚ましたようですが、こちらが尋ねても答えないのです。」
ルカと言う女性は姿勢を正し、姫様に答える。
「そう、私(わたくし)にも幾つか質問をさせてもらえるかしら?」
「はい」
と答え、一歩下がるルカと入れ替わるように姫様は僕に近づき、顔を覗き込む。
「私はリオ…あなたのお名前は?」
優しい声で尋ねられるも僕は喋れないと、左手を動かし、懸命に伝えようとした。
「ルカ、この子…喋れないのではないかしら…」
「で、ではどのように尋問すれば…」
彼女達の会話中…僕は左手を動かし続ける。
「あなた、字は書けるの?」
ふと、姫様に尋ねられ、僕は頷く。
「そう…ルカ、この子の手枷を外してあげて」
「ですがっ」
「大丈夫、左手だけを外してちょうだい」
「わ、分かりました」
互いを信頼しあっている二人の会話や行動がわかる。
ルカは手枷を外すと姫様の前で守るように立つ。
羊皮紙とペンとインクが用意され、僕はすぐさま名前と尋ねられた質問を書いてゆく。
<イブキ。 囚われていた貴族を殺し、屋敷から逃げて来た>
書いたものを彼女たちに見せる。
そしてまた羊皮紙に書き込む。
<僕は貴族の屋敷で暗殺者として育てられたが裏切られた。 貴方達に危害を加える事はない。>
「暗殺者…だと」
ルカは僕を睨みつけ、ナイフを手にして僕の首元に近づけ、襲いかかる。
「やめなさい、ルカ」
姫様が止めるも、恐れていない僕を見て、姫様は一目で実力の差を理解したみたいだ。
「イブキ、あなたを信用しろと?」
姫様は僕を見つめ、尋ねる。
僕も姫様の目を見つめ、頷く。
「そう、わかったわ…無理はなさらないように休みなさい。 今は怪我人なのですから。」
姫様の言葉通り、僕は頷き、気を失った。
怪我は手当されており、衣服や身体の汚れも綺麗に拭き取られ、ベッドで寝ていた。
だが、僕は自分の両手足がベッドに拘束されていると気づく。
ふと、ヤツとの事がフラシュバックして震え出す。
が…
「目が覚めたようだな…」
女性の声がして、そちらに顔を向ける。
褐色の肌の細身だから筋肉質の身体をした女性が警戒心丸出しで僕を睨みつけていた。
「お前は何者だ? 何をしに来たっ。」
彼女の有無を言わさず尋ねてきたが、僕は喋れない事をどう伝えるかを考えながら、左手を動かす。
ガチャガチャと拘束具がなる。
すると、
「あら、ルカ…あの子は目を覚ましたかしら?」
と、別の女性が現れた。
綺麗なドレス姿の美しい金髪の女性…が尋ねてきた。
「姫様…はい、今目を覚ましたようですが、こちらが尋ねても答えないのです。」
ルカと言う女性は姿勢を正し、姫様に答える。
「そう、私(わたくし)にも幾つか質問をさせてもらえるかしら?」
「はい」
と答え、一歩下がるルカと入れ替わるように姫様は僕に近づき、顔を覗き込む。
「私はリオ…あなたのお名前は?」
優しい声で尋ねられるも僕は喋れないと、左手を動かし、懸命に伝えようとした。
「ルカ、この子…喋れないのではないかしら…」
「で、ではどのように尋問すれば…」
彼女達の会話中…僕は左手を動かし続ける。
「あなた、字は書けるの?」
ふと、姫様に尋ねられ、僕は頷く。
「そう…ルカ、この子の手枷を外してあげて」
「ですがっ」
「大丈夫、左手だけを外してちょうだい」
「わ、分かりました」
互いを信頼しあっている二人の会話や行動がわかる。
ルカは手枷を外すと姫様の前で守るように立つ。
羊皮紙とペンとインクが用意され、僕はすぐさま名前と尋ねられた質問を書いてゆく。
<イブキ。 囚われていた貴族を殺し、屋敷から逃げて来た>
書いたものを彼女たちに見せる。
そしてまた羊皮紙に書き込む。
<僕は貴族の屋敷で暗殺者として育てられたが裏切られた。 貴方達に危害を加える事はない。>
「暗殺者…だと」
ルカは僕を睨みつけ、ナイフを手にして僕の首元に近づけ、襲いかかる。
「やめなさい、ルカ」
姫様が止めるも、恐れていない僕を見て、姫様は一目で実力の差を理解したみたいだ。
「イブキ、あなたを信用しろと?」
姫様は僕を見つめ、尋ねる。
僕も姫様の目を見つめ、頷く。
「そう、わかったわ…無理はなさらないように休みなさい。 今は怪我人なのですから。」
姫様の言葉通り、僕は頷き、気を失った。