僕は主である彼を信じていた。

なのに…裏切られた。

彼だけは僕を一人の人間として見てくれている…と思っていたのに…。



目を覚ました僕は裸のまま、ベッドに拘束されていた。

なんで…?
訳が分からない…とばかりに僕は手足を動かし、この状況を観る。

すると、暗闇から主が現れ、僕を見つめて、ニヤリと笑った。

主…?
僕は必死で主に訴えかけるような、怯えた目で見つめる。

主は怪しい目をしてニヤリと笑ったまま、僕に近づいてきた。

突然、主の顔が近づいて…僕は無理矢理唇を奪われた。

奪われただけでは無い…何かを口に流し込まれ、無意識に僕は飲み込んでしまった。

あれ?…何か、飲み込んだ…?

僕は不意打ち当然で怪しいクスリを飲み込んでいた。


それからは、少しの時間…放置された。

ア、レ…?
僕の心臓はドクドクと早い脈がうち、身体が熱くなってきた。

これは、何…?

主を見つめる僕の瞳には潤んだ視界が広がった。

「効いてきたか…」
主の声を聞き、近づいて来る足音…突然沈むペッド…覆い被さるような体制の主を観る。

彼の手が僕の腕や脇腹、お腹や太ももを撫で回すように這う。

ビクビクッ…と、勝手に反応を見せる僕の身体は無意識にゾワゾワした。

傷痕を這う指先が、首を這いずる舌が…気持ち悪い…。

不意にまた、主に口移しでクスリを盛られる。

彼の手は、舌はずっと僕の身体を撫で回していた。

その後、僕は時間をかけて彼好みに調教され、犯された。

はじめての屈辱と羞恥心が僕を襲う。

気持ち悪い…助けて…誰か…

しゃべれない僕は彼にとって都合が良い玩具なのだろう…
僕は悶えながら、勝手に反応してしまう身体に…彼を信じきっていた自身に…現実を受け入れられないまま彼の性奴隷となった。

クスリを盛られ、好き放題に犯され…信じていた人に裏切られた事で僕の中で何かが粉々に壊されてゆくのがわかった。

もう、ダメだ…限界…早く、殺して…

何度思ったことだろう。

数日、数週間…と過ぎてゆく中、僕の心は壊れた。


手足の拘束が外されても、首輪を嵌められても、反抗する気力は完全に失われていた。

数ヶ月が経った頃には、この屋敷の従者達の性奴隷としても扱われるようになった。

考えることを放棄し、従順な玩具であり、男達の肉欲によって蹂躙され続けた僕は服従するペット…。


日に日に瞳は色褪せ、壊れた人形のように過ごす日々だった。


「暗殺者」でありながら、「暗殺者」だった僕はもう存在しない。