屋敷には見張りや護衛、兵士もいる。

身を隠しながら僕は調査を進めた。

潜り込むのは簡単でも、目的の物を見つけるのは難しい。

屋敷は思っていたよりも厳重だった。

部屋数も多く、何ヶ所も護衛が見張っている。

一つ一つ調べるのも面倒だ…。

しかも、暗殺者の一人が僕を監視している…。

「面倒くさいな…他の者が集まると更に面倒だな…」

僕はその暗殺者にバレないように、一瞬で姿を消して背後に回る。

気絶されて、倒れた身体は見つかりずらい場所に隠した。

どうやらここの警備は大した技術のない連中らしい。

部屋に入るのも容易く、情報も企みも簡単に手に入れられた。

やたらおしゃべりな奴らばかりで助かる。

目的の場所も、証拠も簡単に手に入った。

「さてと…ルカの所に戻って調査結果の報告と…謝罪、か…」

重要書類と資料、証拠になる物を手当り次第手にして僕はルカの元へと向かったのだった。



僕が山ほどの証拠を手にルカの前に現れた時には、ルカは拘束は解けていた。

「ルカ…ごめん…裏切ったのは僕…だったね」

「いや…お前のおかげで頭が冷えた…ありがとう。」

ルカは思ったよりも冷静になっており、僕を叱ることはなかった。

「これで許されるとは思ってないけど、何かいろいろ企んでるみたいだったから手当り次第持ってきたよ。」

僕は彼女に証拠を手渡す。

ルカは大量の紙を見て唖然としたまま固まった。

「とりあえず…帰ろっか、ルカ? リオに怒られる前に…いや、怒られに…かな。」

ルカの手を引いて僕たちはリオが待つ城へと向かった。


その後、城に戻った僕たちはリオによって厳しいお説教の嵐であったのは言うまでもないだろう。