アルバムが折れてしまいそうなくらい、抱きしめた。ポツ、ポツ、とビニールで覆われた表紙に涙が零れて、雨のような音がしていた。

 松隆くんは最後まで黙ったままだった。ただ、思いがけず秘密を知ってしまったことに対する困惑をその顔に浮かべて。