緊張、する…。


寒い冬の日。


高校の『2年3組』と書かれた教室に入っていく。

1年の私は、本来この教室に入れない。
…はずだけど、今日ばかりはルールを破った。


だって…今から、先輩の机にラブレターを入れるから。


私の大好きな先輩。


話したこともないけど、優しい人で、どこか幼い笑顔が頭から離れない。


高校生にもなって初恋もまだだった私の、初めて好きになった人。


告白だって初めてだけど、この気持ちを伝えたい。



黒板に貼ってある座席表から、相馬 蓮(souma ren)の名前を探す。

あ…ここかな。




「返事、くれるといいなぁ…」




そう呟きながら、安東 結唯(andou yui)と書かれた封筒を、机の中に入れた。