「玄武一人か?」
「や、幹部連れてきてるけど」
「あぁ、玄武って幹部も統率とってるよな」
「うちもそうしね? 雪斗の立ち位置微妙過ぎんだろ」
「ナンバー2としか言われてないもんなぁ。でもそんなのなくても困ってはないし、いちいち幹部とか決めてやってる玄武はやっぱ真面目だなぁって程度だ」
「でも今は白銀の代なんだし。好きにやっていいんじゃない」
「でも俺もあんまりカッチリした組織好きじゃないしなぁ」
「彼方先輩が入るまでは青龍にも幹部制度あったらしいぜ、それこそ玄武みたいにしっかりした。でも彼方先輩が面倒くさいって言ってナンバー3以外ナシにしちゃったんだ」
「あの人本当にめちゃくちゃだな……」
雪と白銀は桐椰先輩のやってきたことに「うーん」と頭を捻る。「伝統? 時代錯誤なもんは要らねーよ!」なんて大声で言って且つやってのける豪快な桐椰先輩の真似は誰にでもできるものではない。
「ま、取り敢えず今は玄武の様子を、と……」
外に行けば、羽村の言う通り、玄武は冬樹を真ん中にして九人が並んでいた。全体的に小柄で、冬樹が一番背が低くはあったけれど、それがあまり目立たないくらいだった。
因みに玄武はトップと幹部八人が長ランを受け継ぐ習わしになっているので全員その装いだ。
「おう、二日ぶりじゃん」
大してこちらは、白銀を真ん中に、私、雪、羽村、その他主要メンバーが八人。雪以外はナンバー3だの4だの呼ばれている人もいない、頻繁に顔を出すメンツが顔を揃えただけ、長ランを着てるのも白銀だけというまとまりのないものだ。
白銀の手短な挨拶に対し、冬樹は腕を組んだまま鼻を鳴らした。