そのとき丁度電気ケトルがカチリと音を立てたので、葉の入ったポットにお湯を注ぐ。背後では雪斗が「でも女子が大体同じ顔に見えるのは分かりますね」なんて酷い相槌を打ち、白銀が「え、なんとなくシルエットとかで見分けられない?」と大差ない返事をし、桐椰先輩が「お前らさては化粧の違いに気付けないヤツか」と一人次元の違うことを言っていた。顔が見分けられないのに髪型の違いも通り越して化粧の違いになんて気付くはずがない。
「そういえば京花、最近髪結んでるよね。なんで?」
「風が強いから鬱陶しくて」
「ちょっと待て雪斗。今しがた女の顔が見分けられない話をしたばっかりなのに氷洞の髪型の変化に気付いてますアピールやめろ」
「いや昔から見てるし。京花なら分かるだろ」
「だから! その特別感あるのが気になるんだって! ラブラブじゃないってさっきは言ったじゃん!」
「付き合ってないって言っただけだろ」
「……えっ」
「こら雪、白銀をからかうのはやめなさい」
「からかったの!?」
四人分のマグカップをテーブルの上に置きながら、雪斗に呆れた目を向ける。ニヤニヤと笑って白銀の反応を愉しむ雪斗、ドS。桐椰先輩も楽しそうに意地悪くニヤニヤ笑っている。青龍のリーダーという意味でこの中では一番偉いはずなのにみんなに遊ばれる白銀、不憫。
「でも幼馴染だもんなー。やっぱ特別じゃん? 一緒にお風呂入ったりとかするじゃん?」
「しましたけど」
「ちょっと雪! 小学生の低学年まででしょ!」
「でも一緒に寝るのは高学年までしてたじゃん」
「そういうことを人前で言わなくていいんだよ!」
「俺は何度京花に布団をとられたことか」
「だから言わなくていいんだってそれは!」
「ちょっと待てなんで氷洞顔赤いの!? 俺の前でそんな顔しないくせに!」
「何その台詞、少女漫画でも読んできたの? 言っとくけど現実でその台詞受けないよ? ていうか彼氏気取り発言で気持ち悪いからやめてくれる?」
「目! その目! ゴミムシを見るようなその目やめて! 俺と雪斗の扱いに差がありますよ気を付けて!?」
「差をつけてんだよ」
「ひょおどおおぉぉ」
えーんえーんと膝に額を押し当てて喚く白銀を桐椰先輩が慰める。見慣れたその様子を眺めながら、雪はふっ、と勝ち誇ったように笑っていた。
「そういえば京花、最近髪結んでるよね。なんで?」
「風が強いから鬱陶しくて」
「ちょっと待て雪斗。今しがた女の顔が見分けられない話をしたばっかりなのに氷洞の髪型の変化に気付いてますアピールやめろ」
「いや昔から見てるし。京花なら分かるだろ」
「だから! その特別感あるのが気になるんだって! ラブラブじゃないってさっきは言ったじゃん!」
「付き合ってないって言っただけだろ」
「……えっ」
「こら雪、白銀をからかうのはやめなさい」
「からかったの!?」
四人分のマグカップをテーブルの上に置きながら、雪斗に呆れた目を向ける。ニヤニヤと笑って白銀の反応を愉しむ雪斗、ドS。桐椰先輩も楽しそうに意地悪くニヤニヤ笑っている。青龍のリーダーという意味でこの中では一番偉いはずなのにみんなに遊ばれる白銀、不憫。
「でも幼馴染だもんなー。やっぱ特別じゃん? 一緒にお風呂入ったりとかするじゃん?」
「しましたけど」
「ちょっと雪! 小学生の低学年まででしょ!」
「でも一緒に寝るのは高学年までしてたじゃん」
「そういうことを人前で言わなくていいんだよ!」
「俺は何度京花に布団をとられたことか」
「だから言わなくていいんだってそれは!」
「ちょっと待てなんで氷洞顔赤いの!? 俺の前でそんな顔しないくせに!」
「何その台詞、少女漫画でも読んできたの? 言っとくけど現実でその台詞受けないよ? ていうか彼氏気取り発言で気持ち悪いからやめてくれる?」
「目! その目! ゴミムシを見るようなその目やめて! 俺と雪斗の扱いに差がありますよ気を付けて!?」
「差をつけてんだよ」
「ひょおどおおぉぉ」
えーんえーんと膝に額を押し当てて喚く白銀を桐椰先輩が慰める。見慣れたその様子を眺めながら、雪はふっ、と勝ち誇ったように笑っていた。