「光莉、ほら」 差し出された、パンを見れば… 「レーズンパン…」 私の欲しかった、パンを持っている翼がいて、 「光莉のために頑張った」そう満足気な顔をした翼がいて。 誰にも言ってなかったのに… まるで私が好きなのを知っていたように言う翼。 …もしかしたら……気のせいかもしれない。 「どうも」 そう言って、パンを頂戴する。 それにしても昨日からの翼はどうも変。