「……で、結局鹿島くんは私に生徒会に入ってほしいの?」

「言っておくけど、入らなくてもいいんだよ。それがどんな結果を生むかは別としてね」


 それは入らなくてもいいとは言わない……。じろりと睨めつければ、ふん、と相変わらず小馬鹿にした笑みを向けてくる。


「君が生徒会に入るならそれでよし、君は御三家を捨てて菊池をとっただけの話だ。君が生徒会に入らないなら、それはそれで君は菊池を捨ててまでして御三家をとったということになる。どちらでも俺は構わないよ」


 そりゃあ、そうだ。勿論、勧誘する以上は私を生徒会に入れようとは思っているのだろうけれど、それが鹿島くんの目的に必要不可欠だとまでは思えない。私をいい駒にできないならできないでそれでいいくらいには思ってるだろう。


「さぁ、選びなよ」


 それでもきっと、私が雅を捨てることはできないと分かっているのだろう。だからそんな笑顔で、ずっと私の答えを待っている。ふ、と私の口の端からも笑みが零れた。


「入らない」