「じゃあ御三家でカラオケ行ったりしないの?」
「あー、しないしない。遼も歌は嫌がるからさ」
「照れちゃうんだね」
「照れちゃうね」
「松隆くん歌上手そう」
「上手いよ」
「うわー、またモテ要素追加だ」
「歌上手いってプラスではあるけどモテ要素ではないだろ」
「そうかな?」
「好みのタイプに歌が上手い人って答える女の頭はちょっと中身を覗いてみたくなるね」
言い回しは中々酷いけれど、苦笑いしているから、ただ単にそんな女子を想像できないというだけのようだ。
「でも意外だなー、御三家にも各自苦手なものはあるんだね」
「そりゃあるよ。駿哉は歌は下手だし、美的センスは皆無だし」
「絵が下手なの?」
「絵というよりは色彩感覚っていうのかな? なんでその色の組み合わせにしたんだろうなー、みたいなことがよくある」
月影くん……。
「絵自体は……、普通だと思うんだけどね」
「なんでそんなに歯切れ悪いの」
普通ならいいじゃない、というかさっき音痴に関してはフォローする気なんて微塵もなしに言い捨てたじゃない。そう目だけで告げれば、試合を見ていた松隆くんの目が泳いだ。
「……絵は俺が一番下手」
「ぷっ」
「おい」
「いや、ごめん……人のこと言える立場じゃないってことだね、松隆くん」
午前中、料理は苦手なほうと言ったときはそんな様子ではなかったから、どうやら相当下手らしい。これは御三家の誰かに頼み込んで松隆くんの絵を見せてもらわなければならないようだ。
「いいんだよ、別に絵なんて。今は美術もないし」
「あー、松隆くんは音楽選択なんだ?」
「あぁ。遼は絵が上手いけどね」
「うわー、なんか分かるー。なんか桐椰くんってなんだかんだ女子力みたいなの高いよねぇ」
「調理実習のときにアイツが同じ班にいるとすごぶる楽だしね」
「じゃあ調理実習あるときは桐椰くんと同じ班になろっと」
家庭科は既にあるけれど、調理実習は後期だ。それまでに関係が気まずくなっていなければいいけれど……、とやや自意識過剰な懸念を抱いてしまった。
「あぁ、そうだ、夏休みは結局どこ行くの?」
「あー、しないしない。遼も歌は嫌がるからさ」
「照れちゃうんだね」
「照れちゃうね」
「松隆くん歌上手そう」
「上手いよ」
「うわー、またモテ要素追加だ」
「歌上手いってプラスではあるけどモテ要素ではないだろ」
「そうかな?」
「好みのタイプに歌が上手い人って答える女の頭はちょっと中身を覗いてみたくなるね」
言い回しは中々酷いけれど、苦笑いしているから、ただ単にそんな女子を想像できないというだけのようだ。
「でも意外だなー、御三家にも各自苦手なものはあるんだね」
「そりゃあるよ。駿哉は歌は下手だし、美的センスは皆無だし」
「絵が下手なの?」
「絵というよりは色彩感覚っていうのかな? なんでその色の組み合わせにしたんだろうなー、みたいなことがよくある」
月影くん……。
「絵自体は……、普通だと思うんだけどね」
「なんでそんなに歯切れ悪いの」
普通ならいいじゃない、というかさっき音痴に関してはフォローする気なんて微塵もなしに言い捨てたじゃない。そう目だけで告げれば、試合を見ていた松隆くんの目が泳いだ。
「……絵は俺が一番下手」
「ぷっ」
「おい」
「いや、ごめん……人のこと言える立場じゃないってことだね、松隆くん」
午前中、料理は苦手なほうと言ったときはそんな様子ではなかったから、どうやら相当下手らしい。これは御三家の誰かに頼み込んで松隆くんの絵を見せてもらわなければならないようだ。
「いいんだよ、別に絵なんて。今は美術もないし」
「あー、松隆くんは音楽選択なんだ?」
「あぁ。遼は絵が上手いけどね」
「うわー、なんか分かるー。なんか桐椰くんってなんだかんだ女子力みたいなの高いよねぇ」
「調理実習のときにアイツが同じ班にいるとすごぶる楽だしね」
「じゃあ調理実習あるときは桐椰くんと同じ班になろっと」
家庭科は既にあるけれど、調理実習は後期だ。それまでに関係が気まずくなっていなければいいけれど……、とやや自意識過剰な懸念を抱いてしまった。
「あぁ、そうだ、夏休みは結局どこ行くの?」