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「大丈夫でしたか。」
「はい…すみません。ありがとうございます。」
ぺこぺこと頭を下げている女の子に、見事に退治してみせた綺麗な男の人は苦笑いをこぼす。
「美男美女…」
その空間だけキラキラと輝いていた。
まるで漫画に出てくるヒロインとそのお相手みたいだ。
女の子も、先程から見ていたけれどかなり可愛い。
垂れ目の可愛いひとみに、ふっくらとした唇。
ふわふわとした髪の毛は一つに結ばれている。
どこからどう見ても美少女だ。
ああ、こうやって恋っていうものは始まるのか。
なんか…羨ましい……!
男もいなくなり、やっと気持ち悪さも消えた私は呑気にもそんなことを思っていた。
その時だった。
「……う"う…」
なんだか視界がくらくらとする…
突然力がすっと抜けて、半分体をぶつけるようにして地面に横になる。
怖い…何これ……
薄れていく意識の中で最後に見たのは、もうすっかり沈みこんで暗い空だった。