懐かしいなぁ。
ここで弾き語りをしてた凌さんに一目惚れして、、、
あの時は高校2年生だったっけ。
高校生は相手に出来ないからって、20歳になってから会いに来いって言われて、わたしはその言葉を本気にして会いに行ったんだよね。
まさか、自分の誕生日に会えるだなんて奇跡だったよなぁ。
そんなことを思い出して居ると、すぐ目の前から「天音ちゃん。」とわたしを呼ぶ声が聞こえた。
わたしは少し顔を上げると、誰かの足元が見えて、そのまま顔を上に上げた。
そこに立っていたのは、凌さんだった。
「凌さん、、、」
わたしが呟くと、凌さんはわたしと同じ目線までしゃがみ込んだ。
そして「こんなところに居たら、風邪引いちゃうよ?」と優しい声で言ったのだ。
「いいんです、、、わたしなんて。」
わたしがそう言い、視線を下げると、凌さんは「うちに来ない?」と言ってくれた。
「え、、、行っていいんですか?」
驚くわたしに凌さんは優しく微笑み、「いいよ。」と言った。