「痛くないか?」
わたしに気を遣いながら、凌さんはゆっくりと優しく腰を動かす。

わたしは「大丈夫です。」と答えると、凌さんの首に腕を回した。

そして、再び唇を重ねる。
凌さんはさっきよりも早く腰を動かすと、わたしの中を突き上げていく。

その度にわたしは声を上げた。

凌さんも息が上がってきていて、わたしの耳元に吐息がかかる。

わたしの中で気持ちよくなってくれてるのかなぁ?
そう思うと嬉しかった。

そして、凌さんはわたしの中で果て、そのままわたしの上に倒れ込むと、ギュッと抱き締めてくれた。

わたしは寒い部屋で汗だくになっている凌さんを抱き締め返すと、「ありがとうございます。」と言った。

凌さんは「久しぶりで疲れた。」と笑い、そして「相手が俺で後悔してないか?」と言った。

「後悔なんてしてません。幸せでした。」

わたしはそう言うと、凌さんの額に滲む汗を手で拭いた。

こうして、わたしの願いは叶った。
痛いと聞いていた初体験は、確かに少し痛かったが、それ以上にわたしは幸せだった。

凌さんは「シャワー浴びてくる。」と言うと、わたしに毛布をかけ、シャワーを浴びに行ったのだった。