とにかく。

二人目の遺体が発見されてしまったなら、ますますこの隠れ場所から出るのは危険だな。

事件のほとぼりが冷めるまでは、大人しくしていなくては。

だが…残念ながら。

「食事」は…定期的に行わなければならない。

今は二人食べたばかりだから落ち着いているが、あと一月も持たないだろう。

そうすれば、また女の子を殺さなきゃならなくて…そして、またしても女児が行方不明になったというニュースが報道されることになるのだ。

…まぁ、それは仕方ないよな。

今までずっとそうしてきたのだ。今更変えようがない。

せめて、一連の事件に関連性があると思わせない為に、三人目の「食事」は、ここから離れたところでするとしよう。

それでも同じ手口で殺されているのが見つかれば、どうしても関連性ありと判断されるだろうが。

ここを出て、電車なり新幹線なりに乗って、遠くの地方に移動する。

そして、そこで三人目の「食事」をしよう。

だが、今動くのは危険だ。

街中がピリピリしているこの状況で、戸籍のない俺がふらふら歩いていれば、怪しまれることは間違いない。

せめて二週間くらいはたたないと、世間も落ち着かないだろう。

あと半月ほど、この家でお世話になって、世間が少し落ち着いてきたら…電車で移動しよう。

それまでは…寒かろうと、この屋根裏に住まなきゃならない訳だ。

「…」

せめて、もう一枚毛布を拝借してこよう、と思った。