更に、その翌日には、王立図書館に勤めるレティシアと、その友達のユリーシャが訪ねてきてくれた。
入院中は退屈だろうと、レティシアは手土産代わりに、たくさんの魔導書を持ってきてくれた。
おいおい、見舞いの品に本かよ、と普通の人は思うかもしれないが。
三度の飯より本好きなシルナは、大層喜んでいた。
さすがレティシア。シルナのツボをよく心得ている。
更に、その二日後には。
「学院長先生、グラスフィア先生」
「お邪魔します」
俺達の病室に、イーニシュフェルト魔導学院の生徒達がやって来た。
ようやく起き上がれるようになってきたところに、このサプライズ。
これには、シルナも大喜びだった。
「わぁ、君達。来てくれたの?」
病室にやって来たのは、六人。
全員見覚えがある。各学年の委員長達だ。
彼らが生徒を代表して、見舞いに来てくれたのだろう。
「学院長先生、もう起き上がって大丈夫なんですか?」
「うん、もう全然大丈夫だよ」
生徒の手前、虚勢を張ってはいるが。
ここ二日ほどはようやく安定してきていて、レティシアが持ってきてくれた本を読む余裕も出てきている。
「ごめんね、君達。授業お休みで…」
イーニシュフェルト魔導学院の教員は、俺とイレースを除き、全員がシルナの分身である。
その為、俺達三人がダウンしてしまうと、イーニシュフェルトには教師が一人もいなくなる。
シュニィの方から聖魔騎士団に頼んでもらって、代わりの臨時教師として、魔導部隊の魔導師を何人か呼んで、授業を代わってもらっているが。
時魔法の授業や実習授業など、特殊な魔法や座学以外の授業に関しては、やはり俺やシルナでなくては教えられない科目もある。
そういう科目については、教えられる者がいない為、現在自習時間となっている。
「気にしないでください。今は休むときですよ、学院長先生」
「そうそう。俺達も今のうちに、予習と復習頑張っておきます」
「早く元気になって、また一杯教えてくださいね、学院長先生」
教師としては情けない限りだが、うちの生徒達はとても健気だった。
良い生徒達だ。
「君達…」
これには、シルナも感動の涙。
気持ちが分からないこともない。
「これ、学年ごとに募金を募って、買ってきたんです。どうぞ」
六年生の代表が、大きな花籠と、お菓子の詰め合わせが入った紙袋をくれた。
更に。
「これ、うちのクラスで作ったんです」
「私のクラスでも」
次々と、生徒達は何枚もの色紙を手渡した。
何かと思ったら、それはクラスメイト一人一人からの寄せ書きだった。
「早く元気になってくださいね」とか、「帰ってきてくれるのを待ってます!」とか、「お大事にしてください」とか、生徒達直筆のメッセージが書かれていた。
似顔絵らしき絵を描いている生徒もいた。
「千羽鶴を折ってるクラスもあるんですよ。今度、また持ってきますね」
「…!」
シルナは感動のあまり、言葉を失っていた。
これは嬉しい。
シルナの教師としての、日頃の行いが物を言ったな。
それだけ、生徒に慕われる教師だということだ。
それ以降、シルナは生徒からの心のこもった贈り物を、片時もベッドの傍から離さなかった。
ただ、数分おきに色紙を眺めては、にやけまくった顔で、にまにまするのはやめて欲しかった。
入院中は退屈だろうと、レティシアは手土産代わりに、たくさんの魔導書を持ってきてくれた。
おいおい、見舞いの品に本かよ、と普通の人は思うかもしれないが。
三度の飯より本好きなシルナは、大層喜んでいた。
さすがレティシア。シルナのツボをよく心得ている。
更に、その二日後には。
「学院長先生、グラスフィア先生」
「お邪魔します」
俺達の病室に、イーニシュフェルト魔導学院の生徒達がやって来た。
ようやく起き上がれるようになってきたところに、このサプライズ。
これには、シルナも大喜びだった。
「わぁ、君達。来てくれたの?」
病室にやって来たのは、六人。
全員見覚えがある。各学年の委員長達だ。
彼らが生徒を代表して、見舞いに来てくれたのだろう。
「学院長先生、もう起き上がって大丈夫なんですか?」
「うん、もう全然大丈夫だよ」
生徒の手前、虚勢を張ってはいるが。
ここ二日ほどはようやく安定してきていて、レティシアが持ってきてくれた本を読む余裕も出てきている。
「ごめんね、君達。授業お休みで…」
イーニシュフェルト魔導学院の教員は、俺とイレースを除き、全員がシルナの分身である。
その為、俺達三人がダウンしてしまうと、イーニシュフェルトには教師が一人もいなくなる。
シュニィの方から聖魔騎士団に頼んでもらって、代わりの臨時教師として、魔導部隊の魔導師を何人か呼んで、授業を代わってもらっているが。
時魔法の授業や実習授業など、特殊な魔法や座学以外の授業に関しては、やはり俺やシルナでなくては教えられない科目もある。
そういう科目については、教えられる者がいない為、現在自習時間となっている。
「気にしないでください。今は休むときですよ、学院長先生」
「そうそう。俺達も今のうちに、予習と復習頑張っておきます」
「早く元気になって、また一杯教えてくださいね、学院長先生」
教師としては情けない限りだが、うちの生徒達はとても健気だった。
良い生徒達だ。
「君達…」
これには、シルナも感動の涙。
気持ちが分からないこともない。
「これ、学年ごとに募金を募って、買ってきたんです。どうぞ」
六年生の代表が、大きな花籠と、お菓子の詰め合わせが入った紙袋をくれた。
更に。
「これ、うちのクラスで作ったんです」
「私のクラスでも」
次々と、生徒達は何枚もの色紙を手渡した。
何かと思ったら、それはクラスメイト一人一人からの寄せ書きだった。
「早く元気になってくださいね」とか、「帰ってきてくれるのを待ってます!」とか、「お大事にしてください」とか、生徒達直筆のメッセージが書かれていた。
似顔絵らしき絵を描いている生徒もいた。
「千羽鶴を折ってるクラスもあるんですよ。今度、また持ってきますね」
「…!」
シルナは感動のあまり、言葉を失っていた。
これは嬉しい。
シルナの教師としての、日頃の行いが物を言ったな。
それだけ、生徒に慕われる教師だということだ。
それ以降、シルナは生徒からの心のこもった贈り物を、片時もベッドの傍から離さなかった。
ただ、数分おきに色紙を眺めては、にやけまくった顔で、にまにまするのはやめて欲しかった。