お茶を出し、しばし世間話をしていると。

おやつも食べたいだけ食べて、暇を持て余してきたらしく。

アイナが、アトラスさんの膝の上でもぞもぞとし始めた。

「アイナ、エレンさんのところに行く?」

「んーん!おとうしゃまといっしょにいるの」

…アトラスさんの膝の上からは、退きたくないらしい。

「アイナちゃんはお父様のことが大好きなんだね~」

笑顔で話しかける学院長に、アイナはこくり、と大きく頷いた。

それを見たアトラスさんの、このどや顔。

恥ずかしいったらもう…。

「それと、おかあしゃまもすき~」

「そっかそっか~」

笑顔の学院長に、ふとアイナはくるりと振り向き。

何を思ったか、アトラスさんにこんなことを尋ねた。

「おとうしゃまは、おかあしゃますき?」

「あぁ、大好きだよ。アイナと同じくらい大好きだ」

…この人と来たら。

こういうところは、ちっとも変わってないんだから。

あぁ、恥ずかしいと思っていたら。

アイナは、更にとんでもないことを聞いた。

「どこがすきなの?」

私は、慌ててアイナの口を塞ごうとしたが。

遅かった。