これで、何かが解決した訳ではない。

全員生き残って、聖なる神もベリクリーデの中に封印されたけど。

完全に死んだ訳ではないし、いずれまた時が満ちれば、目を覚ますだろう。

所詮は、その場しのぎの対処法でしかないのだ。

でも、これで当面の危機は去った。

『禁忌の黒魔導書』も、全て王立図書館の深部に封印し直した。

何の問題もなくなった訳じゃない。

むしろ、これからのことの方が大変なのかもしれない。

だけど、全員生き残っている。

シルナも、俺も。

シュニィもアトラスも、吐月もクュルナも、キュレムもルイーシュも。

ジュリスも無闇も、イレースもエリュティアも。

そして、ベリクリーデも。

皆生きているのだから、それで良い。

生きてさえいれば、どうとでもなるのだ。

シルナ並みの楽観主義だが、今はそれだけで充分だ。

伝説の魔導師であるシルナと、その教え子達である俺達魔導師が生きている限り。

きっと、いつか全ての問題を解決し、本当の意味で世界を救える日が来るだろう。