翌日の放課後。

「サナキ君、ちょっと良いかな」

エヴェリカは、随分と晴れやかな顔で話しかけてきた。

…元気そうで何よりだ。

昨日の話し合いが、上手く行ったのだと思われる。

「勿論」

俺も、あんたに話したいことがあったんだ。

今日こそはな。

「じゃあ、またこの間の喫茶店で話そう」

エヴェリカは、またこの間の高級ホテルの喫茶店で話をすることを要求してきた。

しかし。

「いや…。今回は、俺のおすすめの店にしないか?」

別に、一杯二千円のコーヒーにびびってる訳じゃない。

単に、そちらの方が都合が良いというだけのことだ。