この方法は実際、ぶっ刺さり、であった。

と言うか、相手からしたら、初見殺し感が否めなかったことだろう。

魔導試験のはずなのに、剣士が現れるし。

剣士ごときが魔法を前に何をするのかと思ったら、魔法を平気で引き裂く剣を、ぶんぶん振り回してくる。

基本的に魔導師は、体術が苦手だ。

魔法で戦うのが仕事なのだから、それは仕方ない。

私も、身体は非力だし。

だから、剣士みたいに、距離を詰められて近接戦闘に持ち込まれると、非常に困る。

大抵の魔導師は、距離を詰められると、慌てて後ろに退き、詰められた距離を離そうとする。

だから、私はその隙を見逃さない。

アトラスさんに加速魔法をかけて、逃げる暇を与えず追撃させる。

こうされると、もう駄目だ。

敵は離されない距離に慌てふためき、冷静さを欠いて、でたらめな魔法を繰り出す。

私は落ち着いてその攻撃の反対属性の魔法を、アトラスさんの剣にかけて、強化する。

アトラスさんはその剣で、敵の魔法を切り裂く。

そして、とどめとばかりに敵の喉元に剣を突き付ける。

これで、私達の勝利だ。

ベスト4まで、全部これで勝利した。

そう、私達はあっさりとベスト4まで勝ち上がったのである。

ここまで残ったのは、勿論初めてだ。

自分でもびっくりした。こんなに…その、あっさり勝てるとは。

敵には悪いけど。