決意を新たにした私は、退院後、魔導師養成学校に入学した。

ラミッドフルス魔導学院ではない。別の学校だ。

そこで、私は真剣に魔導化学の勉強を始めた。

しかし、その学校はイーニシュフェルト魔導学院やラミッドフルス魔導学院とは違って、もっとレベルの低い学校だった。

魔導師になるつもりのなかった私は、どの学校が優秀で、どの学校が優秀じゃないのか、全く知識がなかった。

それに私は、真面目に勉学に勤しむつもりで、その学校に入った。

だからこそ、その学校の怠惰な生徒達に腹が立った。

彼らは、「ただ魔導適性があったから」とか、「何となく聖魔騎士団に憧れてるから」いう理由だけで、魔導師養成学校に入学したような連中だった。

真面目に勉強するつもりなんてないし、落第しなければそれで良い、と思っているようだった。

志も何もない。ただ漠然と入学しただけだ。

そんな彼らに、私は猛烈に苛立った。

挙げ句彼らは、生真面目に勉強に励む私を、「真面目ちゃん」と揶揄してからかいまでした。

私が真面目なのではない。

彼らが不真面目過ぎるのだ。

不真面目なのは生徒だけではなく、教師も同じだった。

彼らには、生徒に立派な魔導師になってもらいたい、なんて志は全くない。

ただ教科書通り教えて、あとは生徒と一緒になってへらへらしているような教師ばかりだった。

生徒と友達のような関係を築きたくて、休憩時間、生徒に気さくに話しかけたり。

授業中に、楽しい雑談を挟んだり。

時折宿題をなしにしてあげたり、という甘い教師もいた。

確かに生徒からの受けは良かったけど、私はその教師が大嫌いだった。

もっと、真摯に教育に取り組んで欲しかった。

私は、ここに勉強をしに来たのだ。

遊びに来たのではない。

それなのに、クラスメイトも、教師でさえも、私のことを「真面目過ぎて面倒臭い奴」だと思っているようだった。

周囲と自分の温度差に、私は酷く腹が立った。

だから、代わりに自分で勉強した。

教師になど頼らない。

私は、必ず優秀な魔導師になる。

そして、この不平等な世界を変えるのだ。