さて、ここで我がイーニシュフェルト魔導学院について、学校説明をしておこう。

イーニシュフェルト魔導学院は、ここルーデュニア聖王国の王国軍、人呼んで聖魔騎士団の魔導部隊に所属する魔導師を養成する学校である。

学校説明会でこう説明すると、小さい子達は、「何のこっちゃ」みたいな顔をする。

更に噛み砕いて説明すると。

ルーデュニア聖王国の軍隊は、聖魔騎士団という名前で。

その聖魔騎士団は、刀剣部隊やら弓矢部隊やら、扱う武器ごとに所属する部隊が分かれているのだが。

その中に魔導部隊という、魔法を専門に扱う魔導師の部隊がある。

魔導部隊に入るには、当然魔法を使えなければならない訳で。

魔導師になる為には、弛み無い努力と、生まれながらの才能…魔導適性が必要だ。

魔導適性とは、要するに魔法を使う才能のことだ。

これは努力によって得られるものではなくら、生まれつき持っているものだ。

だから、どんなに魔導師になりたくても、生まれつき魔導適性を持っていなかったら、残念ながら魔導師にはなれない。

どんなに魔導理論を勉強しても、適性がなければ魔法を使うことは出来ない。

逆に、魔法なんて使いたくないのに、魔導適性は生まれつき持ってる、という…ちょっと宝の持ち腐れな人もいる。

それは生まれつき持っているものの違いであって、自分でどうにか出来ることではない。

生まれつきのものと言えば、もう一つ、保有魔力量もまたそうだ。

保有魔力量とは、その名の通り、その人が生まれつき持っている魔力の量のことである。

この多い少ないも、生まれたときに決まっている。

魔導適性が強い人は、保有魔力量も多い傾向はある。

更に、遺伝も関係があるようで、両親が優れた魔導師であると、その子は魔力量が多く、また魔導適性もある場合が多い。

とはいえ、魔導師の家系に生まれ、両親も優れた魔導師だったのに、子供の魔力は少なく、魔導適性もない場合もある。

遺伝は関係あるけど、でもそれだけで決まる訳ではない、ということだ。

このメカニズムは未だに研究段階である。

要するに、何が言いたいのかというと。

魔導師は生まれつき選ばれた人しかなれない、ということだ。