「…さてと、何から話したものかな…」

もう遠い遠い昔のことだが。

でも、私にとっては、昨日のことのように思える。

「…何でも話してください。何を言われても、私は学院長先生の味方ですから」

「シュニィちゃん…」

…優しい子だね、君は。

優しい君は、私の本性を知ったら、軽蔑すると思うよ。

「…」

羽久も、黙って私を見ていた。

「話しても良い?羽久」

「…好きにすれば良いよ。どうせ『俺』の話じゃない」

間接的には、君の話でもあるんだけどね。

「…分かった。なら、話そうか。私が何故、イーニシュフェルト魔導学院を作ったのか…」