テーブルに並ぶ顔を、一人ずつ挙げていく。

まず私、それから羽久。

シュニィちゃんとアトラス君。

吐月君。

クュルナちゃん。

キュレム君とルイーシュ君。

ジュリス君。

無闇君。

ベリクリーデちゃん。

それに、エリュティア君やフィルリアちゃんもいる。

残念ながらユリーシャちゃんやフェリーチェちゃん、それに魔導師ではないが私の特別な生徒であるレティシアちゃんも、不在である。

ちょっと寂しい。

羽久に言わせたら、このロリコン、って罵られるのだが。

別にロリコンじゃないもんね。皆大事な私の生徒で、教え子だもんね。

まぁ、ジュリス君や無闇君は、正しくは教え子ではないのだけど…。

それは関係ない。

私にとって、大切な存在であることには変わりないのだから。

「皆、今日は集まってくれてありがとうね」

「いえ…。私も楽しみにしてましたから」

と、シュニィちゃんは相変わらず優しいが。

「毎度お馴染み、シルナの送別会だな」

羽久がとんでもないことを言った。

何?送別会?

「送別会じゃありません!親睦会!親睦会です」

「え?シルナの顔面を見てうんざりしながら、適当に茶と菓子を食って適当な時間になったら解散する、ある種のお勤めみたいなものじゃないの?」

君、そんな風に思ってたの?

「…あのね。どんな風に思うかは勝手だし、私が口を出すことではないけど」

もしかしたらこの中には、内心お茶会なんて来たくないなーとか思いながら、嫌々来てる子もいるのかもしれない。

いたら悲しいけどね。

でも。

「…それを本人の前で言わないでください」

「…」

「傷つくから」

「…が、学院長。大丈夫ですよ、私、私は楽しみにして来てますから」

慌ててフォローするシュニィちゃん。優しい。

「俺も楽しみにして来てますよ」

アトラス君も優しい。

「俺も…。卒業してから、そんなに頻繁に会えてませんから」

吐月君も優しい。

「私も。その…羽久さんにも会えるし…」

クュルナちゃんは私と言うより、羽久とお茶したいらしい。

乙女だ。

「俺は暇だから、呼ばれれば行くよ。なぁ、ルイーシュ」

「俺も楽しみですよ?タダでお茶と高級菓子食べれますし」

キュレム君とルイーシュ君は素直。

「学院長には義理もあるし…。別に苦痛ではないぞ、俺は」

ジュリス君も優しい。

「俺も同じだな。別に苦痛ではないし、義務感があるから来てる訳でもない」

無闇君も優しい。

「私も来たくて来たよ。学院長には聞きたいこともあるし」

ベリクリーデちゃんも優しい。

え?聞きたいことって?

「ほら見てごらん羽久!君だけだよひねくれてるのは。皆優しいのに」

「本音と建前って奴だよ」

…羽久が酷い。

もう良いもん。羽久なんか知らない。

「…とにかくお茶会始めよう!どうぞ、皆たくさん飲んでたくさん食べて、たくさんお喋りしようね!」

強引にでも、お茶会を始めてしまう私だった。