ベリクリーデちゃんをイーニシュフェルト魔導学院に入学させて、分かったことが色々とある。

まず、ベリクリーデちゃんは、読み書きが大層怪しかった。

聞くところによると、家族の振りをしたヘルヘイム…『禁忌の黒魔導書』が助けに来るまで、ずっと収容所にいたそうだ。

成程、あの国の収容所なんかにいれば、読み書きが出来ないのは当然だ。

出来ないのならば、これから出来るようになれば良いだけの話だ。

私は普通の授業とは別に、ベリクリーデちゃんに個別で別授業を行い、魔法を教えることにした。

時間がかかるかと思われたが、これでベリクリーデちゃん、私の予想以上に飲み込みの早い子だった。

とても優秀な生徒である。

私の見込みは間違っていなかったということだ。

この分なら、すぐに他の生徒に追い付くだろう。

そして、ベリクリーデちゃんが新しい学校生活に馴染み始めた頃。

私は、ベリクリーデちゃんを含む私の特別な教え子達を集めて、恒例のお茶会を開いた。