ともあれ。

俺達が追われた理由が、この格好にあるのだとしたら、話は早い。

俺達は魔法で服を変え、彼らが着ているのと同じ真っ白な服を纏った。

「うわぁ、シルナ全然似合ってない…。キモい…」

「失礼な!仕方ないでしょ」

「死装束みたい」

「失礼過ぎる!」

俺は事実を言ったまでだから。

とにかく、やはり俺達が警察に目をつけられたのは、この格好のせいだったらしく。

白い服に着替えてからは、警官に狙われることはなかった。

そして、街を歩きながら辺りを見渡した俺達は。

また、あることに気がついた。

「…ありとあらゆる場所が白いな、この国…」

「そうだね…」

建物という建物、全てが白い。

何ならそこの花壇に咲いてる花まで、全てが真っ白。

目が痛くなってくる。

「…気色悪い国だ」

何もかもが真っ白であることに加え。

白を着ていなければ、即射殺されてもおかしくないという異常性。

全てが気持ち悪い。

イーニシュフェルト魔導学院にも制服はあるけど、もし制服を着ていなかったとしても、即射殺されたりしないぞ。

有り得ないだろう、そんなこと。

「…恐らく、物凄く束縛が強いんだろうね。この国は」

「信じられねぇ…」

俺達の価値観では、とても信じられない。

「もう少し、この国について調べてみよう。私達はまだ、この国の名前すら知らないんだから」

「…仕方ないな」

早速『禁忌の黒魔導書』を探そうと思っていたのだが。

残念ながら、それはお預けのようだ。

まずは、この国について調べなくては。

下手なことをして、また警官に銃口向けられたら、やってられないからな。