「…!」

目が覚めたとき。

私は、寝過ごした、と思って飛び起きた。

こんな時間まで寝て、監視員に殴り殺される、と。

しかし。

「…」

周りを見渡すと、そこはいつもの収容所の景色ではなかった。

…ここは…。

…そうだ。

私、叔母さんの家に…。

…夢じゃなかったんだ、と思った。

私は本当に、あの地獄のような場所から解放されたんだ。

まるで夢みたいだ。

それとも、眠りから覚めた今も、まだ夢の中なのだろうか?

「…」

私はベッドから起き上がって、徐に窓の外の景色を眺めた。

外は、既に明るくなり始めていた。

もしかして私、半日以上寝てしまったのだろうか。

余程疲れが溜まっていたと思われる。

「…生き延びたんだ…私…」

生きている実感が欲しくて、私はそう呟いた。

すると。

「おはよう。よく眠ってたわね」

声がして、振り向くと、そこに叔母さんが立っていた。

「…おはようございます」

「元気が出た?」

「お陰様で…」

今死んだとしても悔いはないほどである。

「それは良かった。…元気になったなら、少し話さない?」

話…。

…そうだね。命の恩人なんだから。

「分かりました」

私も、彼女に聞きたいことがたくさんあるのだ。