そう、私は一人ぼっちだった。

大抵の囚人は、一家族がまとめて収容されているのだけど…私は独身で、一人で収容されていた。

勿論、生まれたときから一人だった訳ではない。

私にだって、家族がいた。

ただ、皆死んでしまった。

それだけの話だ。

そもそも私が収容所にいるのは、その家族のせいだった。

収容所に収監される囚人は、政治犯とされているが。

全員が何かしらの罪を犯した訳ではなく、家族の中で罪を犯した者がいれば、他の家族も同罪として、無条件で収容所に引っ張ってこられるのだ。

文字通り一族郎党、犯罪者の血縁としてまとめて収容所に送られる。

家族がたった一人悪さをしただけで、他の家族も全員同罪にされるのだ。

シェルドニアでは、罪は自分だけのものではない。

自分だけの責任では済まないのだ。

そして私がここに連れてこられたのも、私の家族のせいだった。

家族を食べさせる為に、やむなく罪を犯した父のせいで。

私は、ここに連れてこられてしまった。

そう、あれは…私がまだ幼い頃だった。