他人の情事の映像など、見ても面白いものではない。
しかもそれが不倫現場の証拠映像と来たら、うんざりするどころではない。
吐き気がする。
アシバも半分目が死んでたし、イズチは完全に死んでた。
「…ふぅ…」
一通り映像を見終わってから。
しばらく、誰も何も言わなかったが…。
やがて、アシバが溜め息をついて、こう言った。
「…とにかく、これでOさんの奥さんが浮気しているのは確定した」
「…」
「明日にでもOさんを呼んで、これを見せよう」
…激しく、気は進まないが。
依頼されたのだから、知らせない訳にはいかない。
俺は依頼しに来たときのOさんの顔を思い出した。
誠実そうな若い青年で、疲れ果てた顔で、アシバ探偵事務所の門を叩いた。
妻が浮気しているかもしれない…と悲しげに語った彼は、酷く追い詰められていて、ここに来るまでに様々な葛藤を抱いていたのであろうことを伺わせた。
限りなく黒に見えるけど、でも自分の思い過ごしかもしれない、勘違いかもしれない…。そんな一縷の希望に懸けて、彼はアシバ探偵事務所にやって来た。
それなのに…こんな結末になってしまうとは。
今まで何度も浮気調査はしてきたが、何度やっても慣れない。
どう前向きに考えても、夫婦の修羅場に直面することは間違いない。
しかもそれが不倫現場の証拠映像と来たら、うんざりするどころではない。
吐き気がする。
アシバも半分目が死んでたし、イズチは完全に死んでた。
「…ふぅ…」
一通り映像を見終わってから。
しばらく、誰も何も言わなかったが…。
やがて、アシバが溜め息をついて、こう言った。
「…とにかく、これでOさんの奥さんが浮気しているのは確定した」
「…」
「明日にでもOさんを呼んで、これを見せよう」
…激しく、気は進まないが。
依頼されたのだから、知らせない訳にはいかない。
俺は依頼しに来たときのOさんの顔を思い出した。
誠実そうな若い青年で、疲れ果てた顔で、アシバ探偵事務所の門を叩いた。
妻が浮気しているかもしれない…と悲しげに語った彼は、酷く追い詰められていて、ここに来るまでに様々な葛藤を抱いていたのであろうことを伺わせた。
限りなく黒に見えるけど、でも自分の思い過ごしかもしれない、勘違いかもしれない…。そんな一縷の希望に懸けて、彼はアシバ探偵事務所にやって来た。
それなのに…こんな結末になってしまうとは。
今まで何度も浮気調査はしてきたが、何度やっても慣れない。
どう前向きに考えても、夫婦の修羅場に直面することは間違いない。