アシバ探偵事務所の職員は、計五名。

まずは所長、アシバ・ファウスト。

次に副所長、イズチ・セランド。

それから事務員、ウルミ・サンド。

そして俺、キノファ・フォールス。

五人目は…まぁ、いたりいなかったりするので、またいずれ。

アシバ率いるアシバ探偵事務所の職員達は、今日も寂れたビルの一室で、難しい顔を突き合わせていた。






「…なぁ、アシバ」

「…何だよ」

「…何?これ」

イズチは、テーブルの上に広げられた写真の数々を指差した。

「何って…。証拠写真だろ」

「…」

「依頼者であるOさんの奥さんの…不倫犯行現場の写真だ」

「…」

「…」

「…何で毎日、こんなものばっか見せられなきゃならないんだよ!」

耐えきれなくなったかのように、イズチがテーブルを叩きつけた。