「あら、羽久さん…。お久し振りです」

「あぁ、シュニィ…。どう?アイナ元気?」

「えぇ、それはもう…。悪戯盛りで困ってます」

…そっか。

「あ、羽久さん。お久し振りですね」

「おぉ、吐月じゃないか…。卒業したんだよね?」

「はい。今は新米大隊長として、聖魔騎士団で頑張ってます」

そうか。

「よーっす羽久。元気だったか」

「無事に帰ってきてくれて何よりですね」

「あ、キュレムにルイーシュ…。久し振り」

こちらも特に…変わりはなさそうだ。

…千年以上留守にしてた割には、皆淡白だな。

と、思われたかもしれないが。

シルナ達が俺を探していたのは、確かに千年なんだけど。

でもそれは、時間の流れが違う様々な時空を転々としていたから。

俺達がいるここルーデュニア聖王国のある時空では…実は二年ほどしかたってない。

もっと正確に言うと、一年半くらい。

時間の流れが違うのだから、それは仕方ない。

仕方ないけども。

…なんか、ちょっと拍子抜けだよな。

まぁ、二年くらいで良かったのかもしれない。

これが、うっかり二万年くらいたっていたら…帰ってきたら、そもそもルーデュニア聖王国そのものがなくなっていたかもしれない。

そう思えば、ルーデュニアの方が時間の流れがゆっくりで助かった。

帰ってきたら俺の居場所がなくなってるところだった。

…と言っても。

もしジュリスがここに帰ってきたら、もう彼が知っている景色など、何も残っていないのだろうなと思うと…少し、可哀想な気にもなった。