「全く勘弁して欲しいよねー。このくっそ忙しいのに、新人のお守りまで押し付けられるなんて…」

「…」

「ジュリスも無茶言ってくれるよ。はー、やれやれ…」

「…」

…彼を煩わせてる原因は俺なんだから、しおらしくしてなきゃいけないのかもしれないけどさ。

それほど面と向かって嫌味を言われると、さすがにイラッとするよな。

「…悪かったな」

お守りしてもらってさ。

仕方ないじゃん。ジュリスがマキナスと一緒に仕事して、って頼んできたんだから。

「本当だよ。こんなことになるなら、拾わなきゃ良かった」

マキナスが拾ってくれてなかったら、俺、今頃どうなってたんだろうな。

もしかしたら、捕まってたかもしれない。

「はー、疲れた…。お昼食べてないしさ。次の取引先に行く前に、お昼食べていこうよ」

「あ、うん…」

そういえば、そんな時間だったか。

「何?お腹空いてないの?君」

「ん…。まぁ、あんまり」

「朝もそんなに食べてなかったじゃん。少食なの?少食系男子?」

何それ。

少食系男子か何かは知らないけど、何故かあんまり空腹を感じるということがないんだよ。俺。

何でだろう。やっぱり少食なのかな。

全くお腹が空かない訳ではないんだけど…。

「とにかく食べてから行こう」

と、言ってマキナスが向かったのは。