…『青薔薇連合会』との商談を終え。

真っ直ぐにアジトに戻ってから、ジュリスはマキナスを呼んだ。

「どうしたの?ジュリス」

「『青薔薇連合会』と話してきた。大至急、この数を用意しなきゃならなくなった」

「どれ…。…うわ、今回は随分と多いね」

マキナスも、この反応。

「一応納期には余裕を持たせてくれるらしいが…」

「まぁ…。無理をすれば行けるでしょ。『青薔薇連合会』に贔屓にしてもらってるんだから、無理してでも応えないと」

「それにしても、一体何があったの?こちらとしては繁盛するけど、いきなりこの数…。抗争でも始めるつもり?」

「シェルドニア王国と開戦するかもしれないんだってさ」

「…」

本日二度目の驚きを見せるマキナス。

「…シェルドニアと?何で?」

「さぁ…。可能性は薄いらしいが、万が一に備えて、ってことらしい」

「成程ねぇ…。それが本当なら、こちらもうかうかしていられないね」

「あぁ。この話が明るみに出たら、何処も武器を買い占め始めるだろうしな。今のうちに在庫を確保しておかないと…」

「やれやれ。忙しくなりそうだよ、全く…」

…俺としては、何が何やら、という感じなのだが。

そもそもシェルドニア王国というのがどんな国なのかも知らない。

ルティス帝国のことさえ、よく分かってないのに。

でも多分、本当に戦争が始まるのなら、大きな国同士のぶつかり合いになるのだろう。

…それは…嫌だな。






…と、思ったそのとき。