「お帰りなさい、キュレムさん、ルイーシュさんも」

シュニィは、俺の背中におぶわれたルイーシュを見ても、顔色一つ変えなかった。

さすがの貫禄を見せる聖魔騎士団副団長である。

このくらいじゃ驚かないよな。もう。

「禁書回収してきたんで、あとよろ」

「はい。ありがとうございます」

「当分は何処にも行かせないでくださいね。俺、もう働き過ぎて疲れたので」

おいルイーシュ。お前、相手が上司だって分かってる?

「うふふ。そうですね、しばらくは王都にいてください」

「さすがシュニィさん話が分かる。そんな訳で俺は寝るので、キュレムさん早く帰りましょう」

「お前って奴は…。まだ報告書が…」

「あ、そちらはキュレムさんにお願いしますね。俺ほら、文章下手なので」

「適当な言い訳をするな。むしろ俺より上手いだろうが!」

書きたくないからってお前。

「もー、我が儘ですねキュレムさんは…。良いですよ。帰って、寝て、起きたら、一緒に書きましょう」

何その妥協案。

「…分かったよ」

シュニィさ。仲良しですねうふふ、みたいな顔してこっち見ないでくれる。

お前んとこの夫婦も大概だから。

こんな風にして、いつまでたっても俺の横にはルイーシュがいるんだろうなぁって。

良いことなのか、悪いことなのか…。

ま、一人ぼっちで生きるよりはずっと良い。


















END