「…そうか」

ファントムが俺達を見る目は、正に汚物を見る目だった。

心底馬鹿にしてくれているようだ。

「お前達が、井の中の蛙で良いと言うのなら…。そのまま死なせてやろう」

「おっと…。それは頂けないなぁ。まだ死ぬつもりはないんでね」

折角、学院長に拾われた命。

まだまだ大切にしていたい。

ましてや、ここでひきこもりニートと一緒に死ぬなんて、絶対御免だね。

「むしろ死ぬのは…そっちの方なんじゃない?」

「…死ね!」

物ともせず、ファントムは巨大な魔力の刃を振りかざした。

あれに当たれば、さすがに痛いじゃ済まないだろう。

だが。

ファントムが大きく攻勢に出た。これはチャンスだ。

「ルイーシュ!」

「はーい」

ぱちんっ、とルイーシュが指を弾く。

その瞬間、ファントムの背後に、ぽっかりと大きな空間の穴が開き。

驚いて振り向いたファントムの顔に、蓄積された無数の魔弾の振りかかった。

「ぐっ…!小癪な…」

突然の奇襲をまともに食らったファントムは、よろめきながらも体勢を整えようとした。

が。

時既に遅し、って奴だ。

「…悪いね。本命はこっちなんだ」

「!?」

俺はファントムに肉薄し、その顔に向かって躊躇いなく拳銃の引き金を引いた。

先程までの、普通の弾丸サイズの魔弾ではない。

魔力で作った極太のレーザーが、ファントムの頭を貫いた。