俺はなおも、激しく弾幕を張り続けた。

しかし。

「…小賢しい!」

地味な攻撃の応酬に耐えかねたのか、ファントムは巨大な魔力の刃で、俺の弾幕を切り裂いた。

…この野郎。

「貴様ら、シルナ・エインリーの手先か」

ファントムが、親の仇でも見るような目で俺達を見た。

あ?いきなり何の話だ?

「あの男に仕えているのかと聞いている」

「…仕えちゃいねぇよ。ただあの人に魔法を教えてもらっただけだ」

「…憐れな。お前達は、シルナ・エインリーの手駒にされているだけだ」

手駒ぁ?

「お前達は知らないだけだ。あの男が何を企んでいるのか…。あの男の本性を…!」

「…知らねぇよ」

そういや、クュルナに取り憑いてたカオスも…似たようなこと言ってたな。

学院長に利用されてるだとかなんとか…。

…で、それが何だって言うんだ?

「分かってないですねぇ、あなた」

ルイーシュが、小馬鹿にしたように言った。

「学院長が何を企んでいようが…そんなものはどうでも良いんですよ、俺達は」

全く以てその通りだ。

そんなものはどうでも良い。

利用されていようが、学院長に隠された本性があろうが。

知ったことか。そんなもの。

だって。