俺が、もしかしたら凄い才能の持ち主…かもしれないことは分かった。

全然そんな風には思えないけど。

でも、それなら何で。

「俺、今まで何処に行っても、才能があるなんて言われませんでしたよ?前の学校でも…」

凡人以下の成績しか、取ったことはないのだが?

「それは君、魔力の使い方が不味いんだよ」

あっけらかんとして言う学院長。

魔力の…?

「君は杖を振って、大きな魔法をどかーんと使うタイプじゃない。たまにいるんだよ。凄く繊細な魔力の持ち主」

「…??」

済みません。ちょっとよく分からないんですが。

「つまりだね?杖を振るんじゃなくて…。よし、これを使ってみよう」

学院長は、俺がそれ以降杖の代わりに自分の半身として使うようになる、俺の専用武器を差し出した。

そしてこれ以降、俺はイーニシュフェルト魔導学院の名に恥じない…どころか。

聖魔騎士団魔導部隊で、大隊長を任されるまでに至ることになる。

落ちこぼれで、あまりの惨めさに自殺まで考えた俺が。

学院長のお陰で、正しく人生大逆転したのである。