両親の言っていたことは、あながち間違いではなかった。

俺はイーニシュフェルト魔導学院に入ったものの、授業のレベルの高さについていけなかった。

これまで、家族の落ちこぼれだったのが。

今度は、イーニシュフェルト魔導学院の落ちこぼれになってしまった。

故郷と違うのは、イーニシュフェルト魔導学院には、俺が落ちこぼれだからって、俺を落ちこぼれだと嘲笑う人がいないくらいか。

だが、惨めなのは変わらなかった。

そして俺は、イーニシュフェルト魔導学院に入って最初の試験で、クラスメイトもびっくりするほどの酷い成績を取った。

筆記試験はそこそこだったが、実技試験で、だ。

当然補習の対象になり、それどころかイーニシュフェルト魔導学院はレベルが高過ぎて、補習の補習対象にまでなった。

補習の補習って。前代未聞じゃん。

俺やっぱり才能ないんだなぁ、と思い知った。

実技の授業やってるときから、周りとの差は明らかなんだもん。

いくら練習したって、俺は元々クラスメイトとは才能が違う。

俺が金の卵?

ダイヤモンドの原石?

学院長、あなたそれは老眼だよ。

俺なんかに、才能なぞあるものか。

もう心底うんざりしていた。

でも、補習の補習にはちゃんと行かなければならない。

こんなの受けさせられるの、俺だけだよ。きっと。

俺みたいなポンコツは、イーニシュフェルト魔導学院で俺一人に違いな、

「ふわぁ~…。あ、あなたも補習の補習受ける人ですか?」

「…」

俺一人に違いない…と思っていたのだが。

ここにいるこいつは、一体何者だ。