うちは、二人兄弟の家庭だった。

俺が弟の方。上に兄貴が一人いた。

よく、二人兄弟だと下ばっかり可愛がられて、上は蔑ろにされる、なんて話を聞くけれど。

うちは、その真逆だった。

我が家は、兄貴が中心で回っているようなものだった。

何でも兄貴が最優先。可愛がられるのも褒められるのも全部兄貴だけ。

じゃあ、弟の俺は何か。

おまけだ。

優秀で、賢くて、何でも出来る神童だった兄貴の、おまけ。

愚図で、馬鹿で、何やらせても下手くそな出来損ないの弟。

それが俺だった。