─────グリードを無視して、ほんの少し昔語りさせてもらうと。




俺はイーニシュフェルト魔導学院出身で、もうそれだけで「エリート」だとか「天才」だとか言われて、大抵の人からは尊敬される。

きっと幼い頃から神童だと称えられたんだろう、と思われてるのかもしれないが。

そんなことはない。

むしろ俺は、そんな言葉とは程遠いところにいた。

学院長に、拾い上げてもらうまで。

俺という人間は、ポンコツの代名詞だった。